So-net無料ブログ作成

大命題(SF) [人間科学]

背の高い人と背の低い人の2種類がいるとする。
その2種類の人全員を背の高い人として扱うとする。
そうするとどのような問題点が生じるだろうか。
背の低い人は自分が背の低いことを言い出せずに、
無理に背の高い人用の椅子やら電車のつり革などを
使わされることになる。
背の高い人が1%、背の低い人が99%の割合で存在していると
すると、悲劇はもっとひどくなる。
背の高い人は「背の低い人が電車のつり革にぶら下がったり、
懸垂したりしている」と事実を報告することができない。
言おうものならば、背の低い人々から「そんな人はいない。
何を言うか。」と猛反発をくらうからだ。

おそらく、背の高い人の中の気の弱い人は、背の低い人と一緒に
なって、つり革にぶら下がったり、懸垂したりするだろう。

こういう問題を解決する答えは一つしかないはずだ。

そう、背の高い人と背の低い人との違いを認識し合えばよいのだ。

ところが、背の高低ならば話は単純であるが、透視力のある人と
無い人が混在している場合には、もっと話は厄介である。
透視力の無い人が1%、透視力のある人が99%の割合で存在し、
しかも、2種類とも透視力が無い人として扱われている場合がそれだ。
このような世界では、いったいどのようにふるまえばよいのだろう。

i)透視力が無い人に生まれた場合: 
 世の中の人全員に透視力が無いと思い込んでおり、観察していると
 面白い存在である。裸体を見慣れておらず、純情で上品である。
 たくさんヒントを聞かせてあげても、透視力の存在に気付かない。
 変化球禁止の少年野球のような世界で生活している。
 相手チームがストレートを投げ続けてくれればなんとかなる。

ⅱ)透視力がある人に生まれた場合:
 どういうわけか透視力がある人の方の人数が多いにもかかわらず、
 世の中が透視力が無い人のためにできているので、不満がある。
 無理に透視力が無い人の真似をしなければならず、当然その真似
 はぎこちない。男性が無理に女装をしているような感じ。
 透視力の自慢をしたいが、99%の人に透視力があるので、自慢にならない。
 お互いに裸体を見せ合っているので、当然下品。
 透視力の無い人が手品を見て驚くと、一緒になって驚いた振りをする。
 少年野球での変化球禁止の理由を実は理解している。
 テレビや映画で自分と同じ透視力のある主人公が大活躍するが、なぜか
 その主人公の立場や性格は透視力のない人のものに入れ替わっている。

うーむ、このような世界では、どうすればよいのだろうか?

透視力ではなく、盗み聞きをする能力だとしたら、話はもっと複雑になってしまう。

SFですな。


nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 4

oceanbridge

興味深く読ませていただきました。全然関係ないかもしれませんが、設計の思想として、「パーセンタイル値」というのがあるそうです。「95パーセンタイル」というと上または下の5パーセントの人は設計対象に入れなくても良いという発想です。この記事を読んで、この、パーセンタイル値の概念を思い出しました。
by oceanbridge (2007-08-21 21:11) 

人間科学者

oceanbridgeさん、Nice!アンド コメント、どうも有難うございます。
そうですね。おっしゃられる通り「95パーセンタイル」という発想が
ありますね。
統計的推測の分野でも検定というのがあり、危険率(有意水準)5%
というものを採用しているようです。これは、ある仮説を立てたときに
その仮説が正しい確率が5%に満たないものは、仮説が正しくない
として棄却するというものです。
ただし、設計となると、oceanbridgeさんも同感でしょうが、対象に誰を
選ぶかで、慎重に対処する必要が出てきますよね。

ゴルフクラブでは、プロ仕様とアマチュア仕様があり、プロゴルファー
はほとんどの人がプロ仕様を採用しているそうです。なかには、ゴルフ
ショップで売っているものと同じものを使用しているプロもいるようですが。
テニスでも、プロテニスプレーヤーはデザインは同じですが、中身は特別
注文をしたラケットを使用していたりするそうです。ただし、昔活躍してい
た女性プロテニスプレーヤーのマルチナ・ナブラチロワは市販のヨネックス
のラケットを使用していたそうです。
三菱自動車のエクリプスという自動車は、アングロ・サクソン系の背の高い
女性が、その長い指に爪を伸ばしたままでもボタンが押せるように、車内
のボタンには爪が入り込むようなくぼみ(穴)を開けるなどの設計をしてい
たそうです。ある雑誌では、実際にエクリプスの設計を担当した方が登場
していて、「頭の中に金髪のモデルのような女性が買ってくれることを想像
して設計しています」と言っていました。私はこれを読んで、エクリプスを買
うのをやめました(笑)。かっこいい車だったのですが。おそらく、エクリプス
という自動車の狙いは、モデル系の女性に褒めてもらうことでもあったと
思います。

対象にどういうタイプを選択するかで、話は変わってきてしまうので、
いろいろと困難な面が出てきますよね。うーむ、難しいです。
by 人間科学者 (2007-08-22 01:07) 

maby

ちょっと考えさせられる話ですね。
しかし、SFと言っても人間の考えたもの。
人間の型にあてはめすぎな感じもしますね。

「背の低い人の高すぎる吊皮はぶら下がって使うもの」
「透視能力って服が透ける程度で別に体の中は見えなくて不便。
 装飾って何ですか?裸で寒くないですがなにか?」
な感じだったりも!?

まあ、余計な事でしたね。お邪魔しました。
しかし勉強になりました。またこっそりromで・・・
by maby (2007-09-09 00:04) 

人間科学者

mabyさん、はじめまして。
Nice!どうも有難うございます。
こちらこそ、いろいろと勉強になります。
SF小説の共通事項的なことを抽出
するとこのようになりました。
by 人間科学者 (2007-09-09 02:07) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。